2009-10-31

"Guð blessi Ísland"

「アイスランドに神の御加護がありますように」

≫≫≫
blessarではなくblessiなので接続法(<blessa)。
2008年10月6日に、ときのハーデ首相がアイスランドのKreppanが始まったことを告げるスピーチの中で発した言葉。
と同時に、それからちょうど一年後の2009年10月6日に封切りとなったドキュメンタリー映画のタイトルでもある。
>公式HP:Felixfilm

以前にニュース記事の紹介を読んで以来これは観ておこうと思っていたのだが、そろそろ上映が終わりそうだったので今日観てきた。 アイスランド語(字幕なし)だったのでセリフは半分も理解できなかったが、"Hvað gerðist?" (What happened?) という言葉が繰り返されていたのが印象的だった。
内容は、監督・プロデューサーのヘルギ(Helgi Felixson)が自らおこなったインタビューと、アイスランドで実際に放映されたニュース映像とで構成されている。

インタビューは、元首相の Geir H. Haarde にはじまり、アイスランドで最もポピュラーなスーパー "Bónus" 等を経営する Baugur Group CEO の Jón Ásgeir、銀行家の Bjarni Ármansson らのいわゆる「戦犯」側と、ヘルギ自身が抗議デモ中に見出した一般の人々との双方から声を拾っている。
国会議事堂アルシンギ前の抗議デモの光景はまさに「シャリヴァリ」。
楽器や鍋や生ゴミが人々の武器であり、現代の「魔女」が政治家に呪いをかける。
今のレイキャヴィークは至って平穏だが、状況が好転しているというよりは、デモを率先していた人々が移住を余儀なくされて此処を去っていったからなのかもしれない。

とはいえ、やはりこれは映画である。
ここにトレーラー付きの紹介ページがあるが、ドラマティックに仕立てるよりも客観的事実をありのまま記録すべきだったのに、とレビューされている。
たしかにYouTube等に出回っているデモの映像などには悲壮感よりもお祭り騒ぎの観が強い。
多分どちらも、此処で起こったことには違いないのだろう。

本作はアイスランド以外でも、ドイツとスカンディナヴィア諸国で公開するらしい。日本でも上映すればいいのに。
日本にはあまりにもコンテクストのない断片的な情報だけが伝えられている気がする。

ちなみにアイスランドの映画館では1時間くらいでいったん休憩が入る。
大学の授業も一コマ90分だが、40分毎にコーヒーブレイクがある。
アイスランドの人々は2時間もじっと席に座っていられないらしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Get Zotero