2010-11-22

Viltu ekki rótlaus? - tvö ár námskeið á Norðurlöndum

MISが2年間のMAプログラムになるらしい。

なんでも、間スカンディナヴィア的なMAプログラムという計画で、この先2年間に対して大きめのファンドを当てたらしい。
詳細は未発表だが、1年目はアイスランド大学で今の制度と同じように授業を受けて、2年目はスカンディナヴィア他国の大学へ行けるという。

個人的には、1年くらいノルウェーにも勉強に行きたいと思っていたところなので、良い制度だと思う。多分私には適用されないが。

去年から、1年間のMAプログラムは大変だから、2年間にしてほしいという声はあった。
たしかに、半期で規定の30単位を取得するのはかなり大変である。
自国でPhD学生をやっているような、十分なバックグラウンドを持っている生徒は、課題のこなし方にも慣れているので、それほど苦にならないと思う。
だが、そうじゃない生徒にとっては、半期で3~4授業を成績6.0 (MAX 10.0)以上で修了するのは決して楽ではない。
もし博士課程への進学を考えている場合は、成績7.25以上が必要。

課題の量や、求められるレベルは授業ごとにかなり差があるが、たとえば今期の「ヴァイキング時代考古学」「サガへの理論的アプローチ」「伝説的サガ」の3つの授業をコンプリートするなら、3本のプレゼン&エッセイ+オンラインの試験をパスしなければならない。

私は今年取っていないが、MISの生徒は通常、これに加えて必修の「テクスト読解」と、必修ではないがほぼ全員が取る「古アイスランド語」もあり、それぞれ中間&期末テスト、毎授業の翻訳課題をこなす必要がある。

去年の授業期間の終わりに、ディレクターのトルヴィを交えてコースのシステムについて意見交換をする機会があったが、1年間に詰め込むのではなく、2年間にしてもう少し余裕を持って勉強できるようにしてほしい、授業のバラエティを増やしてほしい、古アイスランド語の続編の授業もほしい(今は前期だけ)、などの意見があった。

一方で、1年間で修了できるから気軽に参加できるという意見もみられた。
とくにホームでPhDにいるような場合は、2年だとホームの大学のプログラムや各種義務との調整が難しいということもある。

私自身は、主に言葉の問題で滞在を2年に延長したが、同じように2年目に残っているクラスメイトはけっこういる。
一年目はエラスムスの交換留学で、2年目に正規のMA学生として入り直したとか、論文が終わらなかったとか、事情はさまざまだが。
とくに英語を母語としない場合は、各授業のエッセイや(4,000〜7,000ワードくらい)、20,000ワードの修士論文を仕上げるのは容易くないだろう。

2年目に北欧の他大学へ行くということは、1年目の授業の大変さは今と変わらないのかも知れないが、少なくとも論文のアイデアを2年掛けて熟成できるというメリットはあるだろう。

» Should be a rolling stone?
ヨーロッパ、アメリカの学生は、若い頃から(学部の頃から)ひとつの場所に留まらず、いろんな場所を転々として勉強することに慣れているように思う。
エラスムスなどの交換留学制度が整っていることや、少なくとも欧米文化圏内で移動するには言葉や文化の壁でそれほど苦労しなくてもよい、という実用面も大きいと思うが、それとともに、a rolling stone を良い意味で解釈するような風土があるのではないだろうか。

日本も最近は、国際性とかグローバリゼーションが主張されているけれど、海外留学を支援する奨学金や研究助成に「将来、日本での就職を確約できること」などの条件がさりげなく付いていることもよくある。
国内に人材をつなぎ止めることは、それほど大事なのだろうか?

日本にいなくても日本のためになることはいくらでも出来ると思うし、そもそも自国のことばかり考えていては結局未来が開けない、だから地球全体のことを考えようというのが、グローバリゼーションの理念のひとつなんじゃないだろうか。

朝日新聞GLOBE」は「世界のどこかで日本のことを考える」ことをコンセプトに掲げているだけあって、日本を相対化しようという視点からの記事が多く面白い。
とくに「突破する力」が個人的には気に入っている。

*追記(12月2日):Styrkur til norrænna miðaldafræða | Háskóli Íslands
*追記2(2011年4月8日):こちらに英語の説明もあった。2年間の "Nordic Studies" のプログラムは2012年の9月から始まる。

2 件のコメント:

  1. こんにちは、はじめまして。
    WaYaと申します。
    アイスランド大学への留学に興味を持っている日本人です。

    いきなり厚かましいお願いで申し訳ないのですが…2009年11月22日付けの記事に、『ニャーラ』の参考文献について、「全てPDFで配布されたので、もしご希望の方はご連絡を。」と書かれていたのですが、もし可能であれば頂けないでしょうか?もしもうお手元になければ結構ですので…。
    よろしくお願いします。

    WaYa

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  2. WaYaさん

    コメントありがとうございます。
    ニャーラの参考文献は、全部まだPDFでもっていますので、お送りするのは問題ないですよ。
    さしつかえなければ、右の「お問い合わせ」リンク("hafðu samband"はアイスランド語で have a contact の意味です)のメールフォームから、ご連絡先(メールアドレス)をお知らせいただけますか?

    アイスランド留学に興味をお持ちですか。
    仲間が増えてうれしいです。
    最近は日本人留学生もおおいし、レイキャヴィークでの学生生活は楽しいですよ♪

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