授業のタイトルは “Sagas about early Icelanders (Íslendingasögur)”、
先生は中世アイスランド/フランス文学のProf. Torfi H. Tulinius。
アルゼンチン人のクラスメイト曰く、「とてもフランス的な」考え方をする学者。パリ・ソルボンヌでDoctoratを取っている。
TorfiはMIS(Medieval Icelandic Studies) コースのディレクターでもあって、とても親切な先生。
MISのディレクターは、去年まではたしかHelgi Þorlákssonで、サガに関する文学の授業もÚlfar BragasonによるSturlunga sagaの授業だけだった。
アイスランド大学自体が今年から教育大学と統合されたらしく、色々と組織の改編が起こっているらしい。
MISの授業の内容は、ベーシックなテキスト・リーディングや後期のマニュスクリプト実習は毎年変わらないものの、そのほかの授業は少しずつ変えているようだ。
Torfiの授業では、前期はいわゆる5大サガを英訳をテキストとして読んでゆき、サガの構造や解釈、翻訳の問題を考える。
ちなみに後期には、Legendary Sagasがテーマになる。
さすがに5大サガは全部(日本語で)読んでいるので、そこまで付いていけない、という感じではない。いまのところ。
というか、今まで殆ど自分の頭の中でごちゃごちゃ考えるしかなかったサガやアイスランド社会の話を、堂々と授業で聞けて、話せるのがとにかく楽しい。(そんなに自分が発言できる訳ではないが…)
Egils sagaのテクストは、いまなお刊行の続く「アイスランド古典叢書」Íslenzk fornrit シリーズの記念すべき一冊目として(でもvol.2)、1933年に刊行されている。
+Sigurđur Nordal (ed.), Egils saga Skalla-Grímssonar, Reykjavík :Hið íslenzka fornritafélag, 1933.
……が、かなり古いのでMál og menningの方が良いと授業で言っていた。
+Bergljót Soffía Kristjánsdóttir & Svanhildur Óskarsdóttir (eds.), Egils saga : með formála, viðaukum, skýringum og skrám, Reykjavík: Mál og menning, 1992.
ただし、授業でTorfi自身が原文参照するときに使っているのはこれ↓
+Bjarni Einarsson (ed.), Egils saga, London :Viking Society for Northern Research, 2003.
図書館で見てみたが、エギルのサガに特化したGlossary: s. 190-291が超便利。
このサガを読むだけなら辞書無しで事足りる。
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トルヴィ自身のEgla解釈は以下に詳しい。
+Tulinius, Torfi H., Skáldið í skriftinni : Snorri Sturluson og Egils saga, 2004.
英語なら以下の著書のch.12も参考になる。
+Tulinius, Torfi H., The Matter of the North: The Rise of Literary Fiction in Thirteenth-Century Iceland (The Viking Collection 12), Translated by Randi C. Eldevik, 2002.
……しかしこのブログ、完全に備忘録だな。
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