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2巻本。2009年の年末に出るという話を聞いてから、ずいぶん経った。
先週は大学の書店に並んでいなかったのでまだ買っていないが、 注文は出来るようだ。
>大学書店
「モルキンスキンナ」はノルウェー王のサガのコレクション。
「モルキンスキンナ morkinskinna」の字義は「腐った皮」(< morkna: 腐る)。もとは収録写本 (GKS 1009 fol, c.1275) の呼称だったが、今では一連のテクストを指す言葉として使われている。
マグヌス善王オーラヴソン(位1035-47)から、1157年まで(オリジナルでは1177年までか)が叙述の対象。1220年頃のアイスランドで書かれたとされている。
サーット(小話)を多く含むことでも知られていて、とくに、1066年に英国スタンフォード・ブリッジで戦死したハラルド苛烈王シグルザルソンの宮廷に集うアイスランド人の話が多い。
編者のアールマン・ヤコブソンはアイスランド大学所属の文学者。
授業について前に書いたように、王権とアイスランド人の関係を主要研究テーマのひとつにしている。
「モルキンスキンナ」のテクストについては、以下のような刊行状況。
フィンヌル・ヨーンソン編の古い校訂版。
» Finnur Jónsson, ed. 1932. Morkinskinna. København: Samfund til udgivelse af gammel nordisk litteratur.
(ここから全文ダウンロード可能)
英訳もある。
» Theodore M. Andersson & Kari Ellen Gade, trans. 2000. Morkinskinna: the earliest Icelandic chronicle of the Norwegian kings (1030-1157). Islandica: A Series in Icelandic Studies 51. Ithaca: Cornell University Press.
ノルウェー語訳も。
» Kåre Flokenes, trans. 2004. Morkinskinna: norske kongesoger 1035-1157. Stavanger: Dreyer bok.
21世紀に入ってから翻訳・刊行が進んでいるのは、サガ研究学界での関心の在処が変わってきていることを示すのだろうか。
この調子で、『ホーコン・ホーコンソンのサガ』ÍF版も早く出して欲しい。
まだ4月なのに、22時でも明るい。また眠れない日々が…。
まだ4月なのに、22時でも明るい。また眠れない日々が…。
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