2009-11-14

Snorri Sturluson


最近の衝動買い②
スノッリ・ストゥルルソンの伝記。
クリスマスセールでTax freeになっていたのでつい買ってしまった。24.5%引きは大きい。
» Óskar Guðmundsson. Snorri: Ævisaga Snorra Sturlusonar 1179-1241. Reykjavík: JPV útgáfa, 2009, 528bls.

10月20日に授業の一環でレイクホルトに行ったとき、著者のオスカルがスノッリ研究所のリサーチルームにいて、2週間後に刊行されるという本書の仕上げをしていた。
本人によれば、ドイツ語、英語、ノルウェー語で翻訳が出る予定らしい。

スノッリ・ストゥルルソン(1179-1241)は中世アイスランド史上おそらく最も著名な詩人・歴史家にして政治家。
ノルウェー王朝史『ヘイムスクリングラ』と、スカルド詩指南書『散文エッダ』の著者として特に知られる。
(『エギルのサガ』の著者とも目されているがそれに関しては議論が続いている)

レイクホルトは、スノッリが1208年に移り住み、1241年9月23日に殺害された場所。
現在は、近代以降に建てられた教会とともに、スノッリの彫像や再建された温泉(現在は露天だが、スノッリの時代は屋内に在っただろうとはトルヴィの言)などとともに、2000年に設立されたスノッリ研究所 Snorrastofa がある。
スノッリ研究所には博物館と図書館のほか、研究者のためのリサーチルームや宿泊施設がある。
なぜかパンフレットに日本語版があったので理由を聞いてみると、オーロラツアーで訪れる観光客には日本人も多いらしい。
スノッリ・ストゥルルソンの名前など知らない人が殆どだろうが。
ちなみにスノッリについては日本語でも古い紹介がある。
≫ 山室静「スノリの生涯と作品」『思想』600 (1974).

伝記の中身についてはまだ全然読んでいないのでなんともいえないが、基本的に、時系列に沿ってスノッリの人生を極力詳細にたどっていくスタイル。
詳細な注、文献目録、人名索引もついていて、さながらスノッリ・ストゥルルソン事典。白黒ながら図版も豊富。
ただ、系図は巻頭か巻末にまとめて付けてほしかった。サガと同じで人名が多いので確認が大変。 

冒頭の画像はクリスマスギフト用の出版社パンフレットより。
アイスランドではクリスマスに本を贈ることが多く、クリスマス前には各出版社がこぞって新刊を出すという。
ちなみにTVのCMでも、他の新刊といっしょに宣伝が流れている。
私が買ったクリングランのHagkaupでは、平積みにされた新刊の山のなかでこれが一番減っていた。
これだけ分厚くても、研究者以外にもおもしろいんだろうな。

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